ベールを脱いだ中国産OS ハーモニーはアンドロイドを超えるか

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ハーモニーの新機能を使うと、スマートフォンの画面がタブレット上に表示される=北京市内で2021年6月4日午後8時9分、小倉祥徳撮影
ハーモニーの新機能を使うと、スマートフォンの画面がタブレット上に表示される=北京市内で2021年6月4日午後8時9分、小倉祥徳撮影

 中国産基本ソフト(OS)が、ついにベールを脱いだ。同国の通信大手、華為技術(ファーウェイ)が独自開発した「鴻蒙」(英語名・ハーモニー)スマートフォン版である。6月2日夜、発表と同時に対応機種への提供を開始。ネットには早速ダウンロードしたユーザーたちの品評があふれた。グーグルの「アンドロイド」とアップルの「iOS」が牛耳るスマホOS分野に殴り込みをかけた形のハーモニーだが、その裏では、次世代デジタル覇権を見据えたしたたかな狙いも見える。その実力と、戦略を探った。【小倉祥徳/中国総局】

「貿易戦争」が生んだ純国産OS

 ハーモニーの内容を紹介する前に、まずはスマホOSの市場を概観しておこう。スマートフォンのOSは現在、アンドロイドとiOSを合わせたシェアが実に99%を占める。アップル製品のみが使用するiOSに対し、アンドロイドは韓国サムスン電子のギャラクシーやシャープのAQUOSなど幅広い機種で使用されているのが特徴で、従来のファーウェイのスマホやタブレットもアンドロイドを使用してきた。

 だが、米トランプ前政権時の2019年に激化した米中貿易戦争で、状況は一変する。軍事技術と関係しているといった理由でファーウェイは米国による輸出規制の対象になり、米企業であるグーグルから、新たなOSの供給やメンテナンスを受けにくくなったのだ。

 OSが使用できないということは、それに付随する「グーグルマップ」や「Gメール」といったおなじみのアプリを搭載できなくなることを意味する。そこでファーウェイが急きょ開発に取り組んだのが、今回発表されたハーモニーだった、というわけだ。ファーウェイは今後発売するスマホだけでなく、タブレットなどを含めたこれまで販売済みの約100種類の端末もハーモニーを使えるようにする方針を表明。スマホの頭脳であるOS分野で、国産化を一気に進めることを内外にアピールした。

動きもスムーズで連携もマル でも…

 ファーウェイのみならず、今後の中国のデジタル産業の将来をも占うことになりそうなハーモニー。では、その実力はいかほどのものか。

 発表日の翌日、ハーモニーを自身の端末にダウンロードしたという若者を見つけた。北京に住む大学院生の王さん(23)だ。中国のネット交流サービス(SNS)…

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