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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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米女子ゴルフの歴史は…

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 米女子ゴルフの歴史は10代の少女の活躍によって始まった。名はビッキー・ホイト、1895年の全米女子アマの第1回大会に15歳で出場したが、上流階級の夫人ばかりの選手の中でキャディーと間違えられた▲恥ずかしがりなのか、歴史的記念写真にも人影に隠れて写っていない。だが成績は同大会で予選1位、2回大会からは3連覇を果たした。女子ゴルフの登場を世に知らしめたヒロインだが、20歳で突然引退したのは結婚のためだった▲今日の女子ゴルフのメジャー選手権最古の大会である全米女子オープンは1946年に始まった。その大会最年少での優勝だという。19歳と351日、2008年大会の優勝者・朴仁妃(パクインビ)選手と並ぶ若さでの笹生優花(さそう・ゆうか)選手のVであった▲大会最終日、22歳の畑岡奈紗(はたおか・なさ)選手と首位に並び、息詰まるプレーオフを制した笹生選手である。日本勢女子のメジャー制覇は、77年の全米女子プロの樋口久子(ひぐち・ひさこ)、19年の全英女子オープンの渋野日向子(しぶの・ひなこ)の両選手に次いで3人目となった▲母がフィリピン人の笹生選手は、アジア大会では比代表で優勝し、五輪も比代表として出場予定という。今回の優勝には同国でも歓喜の声がわき上がった。大坂(おおさか)なおみ選手と同じく多文化的な背景をもつ新たなヒロインの誕生である▲現在22~23歳の「黄金世代」に続き、さらに若いジュニア層の世界的な飛躍をアピールした笹生選手の快挙だった。女子ゴルフの新時代を10代の選手が押し開いたのは、もちろんこれが初めてではない。

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