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菅首相あす党首討論 逃げの答弁は許されない

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 菅義偉首相にとって初の国会党首討論があす行われる。安倍晋三前首相時代の一昨年以来だ。

 新型コロナウイルスの感染防止対策や、東京オリンピック・パラリンピック開催の是非が大きなテーマだ。首相は国民の不安や疑問に真摯(しんし)に向き合い、逃げずに答える責任がある。

 首相は7日の参院決算委員会で五輪について野党議員に聞かれ、「国民の命と健康が守られなければ、やらないのは当然」と語った。一方で、開催の判断基準を示すよう問われても「国民の命と健康が大前提。それを基準としたい」と述べるだけだった。

 海外から人が集まる五輪は感染を広げるリスクがある。どの程度の医療体制と感染状況なら国民の命と健康が守れるのか。基準を示さないようでは、何も語っていないに等しい。

 政府分科会の尾身茂会長は、リスクを最小化する必要性を強調し、開催に伴うリスク評価を提言する考えを示している。しかし、首相は提言をどこまで尊重するか考えを示していない。これでは開催ありきと受け取られても仕方がない。

 五輪の意義について、首相は「平和の祭典。スポーツの力を世界に発信していく」と語るだけだ。こんな抽象的な説明では、国民の納得は得られまい。

 首相はワクチン接種の拡大に躍起だ。接種が進めば国民の不安が和らぐと考えているようだ。しかし、感染再拡大や医療逼迫(ひっぱく)のリスクを抱えた中では、国民は安心できない。

 党首討論は、政治家としての信条など骨太な議論をする場だが、最近は形骸化が指摘されていた。安倍氏は森友・加計学園問題の質問に、聞かれてもいないことを長々と話し、議論にならなかった。

 立憲民主党の枝野幸男代表が「党首討論は歴史的意味は終えた」と批判すると、安倍氏も「歴史的使命が終わった」と応酬した。国会で言葉の重みが失われている。

 指導者が国民の声に向き合い、言葉を尽くして説明することは民主政治の根幹だ。首相のように官僚が用意した原稿を棒読みするようでは、信頼は得られない。

 党首討論では質問をかわすことなく、自分の言葉で語るべきだ。

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