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少子化考

世界各地を記者が歩きながら、少子化社会の課題や、子どもを持つ意味、家族の幸せとは何かを考えます。

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ジェンダーから見た少子化 女性不利の構造変えなければ解決しない

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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにマスク姿で東京駅付近を歩く男女=2021年6月4日、AP
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにマスク姿で東京駅付近を歩く男女=2021年6月4日、AP

目黒依子・上智大名誉教授に聞く

 少子化に歯止めがかからない日本。日本のジェンダー研究に創生期から携わってきた上智大学の目黒依子名誉教授は、女性の「結婚回避」と「出産回避」が少子化現象の背景にあると指摘してきた。なぜ結婚や出産を避けるのか。目黒氏は女性たちが置かれた状況を分析し、「性別によって固定的な役割を押しつける社会構造が変わらなければ少子化は進んでいく」と訴える。その理由を聞いた。【川上珠実】

 ――少子化とジェンダーについて研究したきっかけを教えてください。

 ◆一昔前はマクロな視点で人口問題を捉える考えが圧倒的多数を占めていた。人口爆発や出生率の低下など国によって抱える問題はさまざまだが、女性が置かれている状況については議論されずに人口政策が決定されてきた。

 そんな中、1990年代に「人口問題は数の問題ではなく、人権の問題だ」という声が先進国のNGOを中心に強まった。94年にカイロで開かれた国際人口開発会議では、人口問題をジェンダーの視点から捉え直そうと方針を大きく転換し、子どもの数や出産時期などを個人が自由に決定できるとする「リプロダクティブライツ(性と生殖に関する権利)」が合意された。

 日本でもそれまでは、少子化について「女性が外で働くようになったからだ」「女性が高学歴になったからだ」などと発言する人々もいた。しかし、90年代ごろから、そうした発言に猛反発が起きるようになり、「子どもを産むか産まないかは、政府が決めることでも、男性が勝手に決めることでもない」という声が上がるようになった。…

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