エーザイと共同開発のアルツハイマー治療薬、米FDA承認

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アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」を研究する米製薬会社バイオジェンの研究員=2019年、AP・バイオジェン提供 拡大
アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」を研究する米製薬会社バイオジェンの研究員=2019年、AP・バイオジェン提供

 米食品医薬品局(FDA)は7日、米製薬会社バイオジェンと日本の製薬大手エーザイが共同開発したアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」を承認したと発表した。アルツハイマー病の原因と考えられている物質を除去する働きがあり、世界初の根本治療薬になると期待する声がある。両社は、高齢化で患者が増えている日本での使用に向け薬事申請しており、審査の行方が注目される。

 アルツハイマー病は、発症する約20年前から脳内に「アミロイドベータ(Aβ)」と呼ばれるたんぱく質の「ごみ」が徐々にたまることで神経細胞が死滅し、思考や記憶の機能が損なわれると考えられている。世界では数千万人の患者がいると推測され、日本では約500万人いる認知症患者の6~7割はアルツハイマー病と言われている。

 これまでの治療薬は、エーザイの「アリセプト」をはじめ、病気の進行を遅らせる対症療法が中心だった。各国とも高齢化が進み、アルツハイマー病の市場規模は大きく、世界の大手製薬企業は根治薬を目指してきたが、十分な効果が得られなかったなどで開発中止が相次いできた。

 今回のアデュカヌマブは、Aβを人工的な抗体で除去する点滴薬だ。両社によると、軽度認知障害(MCI)と診断された人と、アルツハイマー病の初期症状の患者を対象とした治験で、この薬を使った人とそうでない人を比較。その結果、薬を毎月1回、投与された人では認知機能の低下を抑制した、としている。

 両社は昨年7月、Aβを標的とした薬としてFDAに世界で初めて承認申請。FDAは当初、今年3月までに判断するとしていたが、追加データが必要として、承認の可否の期限を今月7日までに延期していた。

 日本では昨年12月、厚生労働省に薬事承認を申請した。超高齢社会を迎えて新薬への期待は膨らむとみられるが、FDAの審査でも有効性を巡って否定的な見解も出ていたとされる。また、バイオ医薬品であり、研究開発期間が長いことから高額薬となるとみられる。承認されたとしても、公的医療保険の適用対象とするかや、その場合の対象者も議論となりそうだ。【佐藤丈一】

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