未来社会実現へ「総合知」活用強調 科学技術・イノベ白書を閣議決定

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商店が連なる生活道路をゆっくりと走る自動運転バス=茨城県境町で2020年12月7日、小川昌宏撮影 拡大
商店が連なる生活道路をゆっくりと走る自動運転バス=茨城県境町で2020年12月7日、小川昌宏撮影

 政府は8日、2021年版の科学技術・イノベーション白書を閣議決定した。白書は、仮想空間と現実空間を融合させた未来社会像「Society(ソサエティー)5・0」を特集し、関連した最先端の研究成果をまとめた。未来社会の実現に向け、新たに国による研究振興の対象に加えた人文・社会科学と自然科学の両分野を融合した「総合知」活用の必要性も強調した。

 白書では、仮想空間構築の基盤技術としてスーパーコンピューターや人工知能(AI)などの利用状況を紹介。現実空間と結びつける技術として、脳の電気信号を機械に伝えて身体機能の低下を補う機器や、車の自動運転などの開発を挙げた。AIやゲノム編集技術などの先端技術の社会活用に向けた倫理面や法的な課題への対応は、総合知を活用すべきだとした。

閣議に臨む菅義偉首相=首相官邸で2021年6月8日午前7時58分、竹内幹撮影 拡大
閣議に臨む菅義偉首相=首相官邸で2021年6月8日午前7時58分、竹内幹撮影

 Society5・0実現の基盤となる基礎研究力の強化も重要と位置付けた。今世紀の日本からの自然科学系のノーベル賞受賞者数(18人)は米国に次いで世界2位だが、注目度の高い研究論文数は20年前の世界4位に比べて9位まで低下したことを問題視。研究力強化のため、10兆円規模の大学ファンドの創設や、若手研究者の支援なども打ち出した。

 また、新型コロナウイルス感染症への対応を急務とし、実験機器などが利用制限されたため研究への影響が出ていることを懸念する一方、研究活動のリモート化、実験の自動化など新たな研究スタイルの構築の必要性にも言及した。【鳥井真平】

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