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コロナ流行、2度目の夏 子どもの感染対策 今、何をすべきか

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コロナ下で2度目の夏がやってくる。子どもの感染対策は?(写真はイメージ)=ゲッティ 拡大
コロナ下で2度目の夏がやってくる。子どもの感染対策は?(写真はイメージ)=ゲッティ

 新型コロナウイルスの感染が収束しないまま、2度目の夏を迎える。変異株が猛威を振るうなか、今年も猛暑と予想され、子どものマスク着用と熱中症の関係も気になる。インターネットには「マスク酸欠で脳に影響」といった親を不安にさせる情報も。子どもの感染対策について、専門家に聞いた。【山下智恵/デジタル報道センター】

厚労省研究班「子どもの感染率上昇データない」

 まずは、国のデータから子どもの感染状況をみてみる。

 厚生労働省の研究班が、日本小児科学会のデータベースに登録された子ども(20歳未満)の症例1662例(4月27日現在)を分析したところ、陽性者の約半数は無症状で、9割が治療せずに快方に向かった。また、変異株の流行によって子どもの感染率や重症化率が上昇したことを示すデータは確認されなかったという。

 子どもの感染経路の7割が家庭内感染で、このうちの約半数が父親経由だった。この傾向は、変異株が流行した1~4月に限った感染例でも大きな差異はなく、研究班は「予防のためには成人が家庭に持ち込まないことが重要」としている。

 厚労省は「子どもが特に感染しやすいとの傾向はみられない」との見解を示すが、沖縄では小中高校を一斉休校するなど教育現場は警戒を強めている。今、何をすべきなのか。東京小児科医会会長でもある、塙小児科医院(東京都中央区)の塙佳生院長は「子どもたちはこの1年間、感染予防策を習得してきました。今までの対策を再確認して粛々と実行することが重要です」と、手洗いやソーシャルディスタンスの確保、マスク着用という基本的な対策の徹底を強調する。

呼吸器未発達の子どもは注意が必要

 だが、これから暑くなる季節、マスクと熱中症との関連も気になる。マスクを着用すると熱中症リスクは高まるのか。

 名古屋工業大の平田晃正教授(医療工学)による昨年夏の実験では、外気温30度と35度の環境下で静止状態の場合、マスクを着けた部分の温度は上昇したが、マスクを着けたことによる体内深部の温度上昇は0・06~0・08度にとどまり、熱中症の目安となる「1度程度の上昇」には達しなかった。30分間、ジョギングをした後の体温と心拍数も、マスクの有無で目立った差はみられなかったという。

 平田教授は「昨年夏も熱中症による搬送者が急激に増えたデータはないので、マスクによる熱中症リスクは大きくない」と分析する。ただし、マスクを着用すると口の中の湿度が上がるため、喉の渇きを自覚しにくくなる点は注意すべきだと指摘する。

 インターネットには「長時間のマスク着用による酸欠が長期化することで、脳に影響を与える」「マスクによる低酸素血症」など不安にさせる情報もある。マスク着用による酸欠は起こるのか。

 呼吸ケアクリニック東京(東京都中央区)理事長の木田厚瑞医師は「一般的なマスクの透過性からすると、酸欠になるとは考えにくいと思います。息苦しさは呼気に含まれる高濃度の炭酸ガスを再吸入するために起こりますが、取り入れる酸素量や脳血流量に異常が出たという実験結果はありません」と話す。

 ただし、運動中にマスクを着用していた児童の死亡例が国外で報告されている。呼吸器系の基礎疾患を持つ患者や、呼吸器が未発達である2歳未満の幼児は注意する必要があるという。木田医師は「子どもは発達に個人差があるので、運動をする場合などはマスクの負荷が大きくなるケースもある」と指摘する。

「親の不安が子の不安を増長」

 それでも「下校時は?」「体育の時間は?」「家庭内では?」――と親は気になる。

 塙医師は「子どもに、何が何でもとマスクを強要するのはダメです。なぜ、どんな場面で着ける必要があるのか、子どもの年齢に応じて考えさせることも重要です。息苦しいときや、外していい場面では外したり。臨機応変にできるようになってほしいですね」とアドバイスする。

 塙医師は小児科の活用を呼びかける。「日ごろの疑問や不安、子どものちょっとした変化も身近な専門家である小児科に相談してほしいです。新型コロナだけでなく、親が不安を抱え込むと、子どもの不安を増長させることになる。受診控えがあると身体的な異常を見逃すことにもつながってしまう。日常の疑問でも、子どもに関わることはなんでも相談してほしい」と話す。

【新型コロナウイルス】

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