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「国際オリンピック委員会(IOC)が掲げる対応は時代遅れ」。東京オリンピック・パラリンピックの開幕が目前に迫る中で、新型コロナウイルス対策のずさんぶりを批判する声が海外の科学者から噴出している。その一人、元イリノイ大学シカゴ校教授で産業衛生士のリサ・ブロッソー博士が毎日新聞のインタビューに応じ、「エアロゾル感染を防ぐ視点が欠如している」と指摘した。【大野友嘉子/デジタル報道センター】
エアロゾル感染の恐れを無視している
――5月に米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」でIOCの新型コロナウイルス対策を批判していました。
◆IOCはこれまで何度も、時代遅れの科学に基づいた判断を打ち出してきました。例えば、新型コロナは空気中に漂うウイルスを含んだ微粒子「エアロゾル」によって広がる可能性があるのですが、いまだにIOCは認識していません。選手や大会関係者らに向けてまとめたプレーブック(規則集)を見ると、お互いに距離を取り、物の表面を除菌することで感染拡大を防ごうとしています。これでは呼吸によるエアロゾル感染を防ぐことができないのは明らかです。
今回のパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、私はずっとエアロゾルの危険性を主張してきました。世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は最近になって、ようやくその可能性を認めました。WHOはこれまで主な感染経路を接触と飛沫(ひまつ)とみていましたが、2021年4月になってホームページに「風通しの悪い場所などではエアロゾルが長く浮遊するため、1メートル以上離れていても感染する」と明記しました。
エアロゾル感染はより小さな飛沫が空気中を長い時間漂うため、離れた距離にいても感染が起こりやすいのです。しかし残念ながら、プレーブックにエアロゾル感染の可能性が反映された部分は見当たりません。
同じ部屋に選手が宿泊するのは「論外」
――どのような感染対策を明記すべきなのでしょうか。
◆プレーブックの大きな問題は、感染が起き得るさまざまなケースを想定しておらず、具体的なルールを設けていないことにあります。
ま…
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