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都立高入試制度、現役教員が段階的な廃止を訴え 合格点性差問題

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東京都立高校の男女別定員制度の段階的な廃止を訴える都立高教員の島田庸さん(手前)=仮名=と大学教員の平山昇さん=東京都新宿区で2021年6月9日午前10時10分 拡大
東京都立高校の男女別定員制度の段階的な廃止を訴える都立高教員の島田庸さん(手前)=仮名=と大学教員の平山昇さん=東京都新宿区で2021年6月9日午前10時10分

 同じ学校であっても男女の合格ラインに差が生まれる東京都立高校入試の男女別定員制について、都立高の現職教員らでつくる「東京ジェンダー平等研究会」が9日、都庁で記者会見を開き、制度の段階的な廃止を訴えた。インターネットの専用サイト(https://www.change.org/toritsu_koukou)で賛同者の署名を6月末まで募り、7月上旬にも都教育委員会に提出するという。

 記者会見には、研究会のメンバーである都立高の30代の現職男性教員と大学教員の平山昇さん(43)が出席した。男女別の定員設定について「自分よりも点数が低い子が受かったのに性別によって落とされた受験生に『あなたは全体のシステムの調整のために犠牲になった』と言えるのか」と疑問を投げかけた。さらに、願書に性別を書かなければならないため、「性的少数者は心理的な不利益を被っている」と指摘した。

 一方、「いきなり廃止すると、受験生や教育現場に混乱をもたらす恐れがある」として、時間をかけて段階を踏む必要があると強調した。具体的には、男女別定員がある約110校の普通科高校のうち40校以上で合格ラインの性差を是正する「緩和策」が実施されていることを踏まえ、緩和策を普通科全校に広げる▽現在は定員の1割となっている緩和策の枠を拡大する▽一部の高校で試行的に合同定員制を導入する――などのステップを提案した。

 男女別定員制の廃止が難しい理由の一つとして、東京の私学は女子校が多く、男子の受験生の受け皿が少ないという指摘がある。この点に関し、男性教員は「私学に何か言うつもりはない」としつつ、仮に私学の男子校や女子校が共学化を図る場合は、受け入れ態勢の整備に向けて都が手厚く支援すべきだとの考えを示した。男子の進路保障については「ここ数年の都立高の2次募集、3次募集をみていると、最終的に行き先がないというのは考えられないのではないか」と語った。

 都立高の男女別定員制を巡っては、毎日新聞が情報公開請求で入手した都教委の内部資料により、2015~20年の入試で緩和策を実施した高校の約8割で、是正後も女子の合格ラインが高く、1000点満点の試験で最大243点差があったことが判明している。【大久保昂】

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