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G7サミットと世界 格差是正への責任は重い

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 日米欧の主要7カ国による首脳会議(G7サミット)が今週末に英国で開かれる。昨年米国で予定された会議は中止となり、2年ぶりの対面会議である。

 軍事と経済の両面で台頭が著しい中国、強権的な姿勢を強めるロシア、緊迫する中東やミャンマー情勢、北朝鮮やイランの核問題、低迷する世界経済……。議論すべき課題は山積している。

 混迷する世界にどんな光をあてるのか。自由な国際秩序を担うG7の力量が試される。

 注目されるのは、新型コロナウイルス感染症と気候変動への対応だ。G7の取り組みは、十分とはいえない。

 ワクチン接種では、富裕国の国民の約3分の1がすでに受けているのに対し、低所得国では1%に満たないという。サミットを前にブレア元英首相ら200人を超える世界の有力者が連名でG7に支援強化を訴えた。「ワクチン格差」への危機感の表れだろう。

 気候変動対策では、温室効果ガス排出削減にG7は意欲的だが、途上国への資金援助は国連の目標に届いていない。ヒマラヤの氷河融解による洪水や熱波によるアフリカの干ばつの被害は深刻だ。

 いずれも地球規模の問題である。緊急に手を打たなければ主要国への影響も大きくなる。格差を放置し途上国の貧困が進めば、テロの温床になり、難民の大量発生につながるおそれもある。

 サミットでの焦点のひとつは中国問題だ。権威主義国家に対し、民主主義国家が結束して立ち向かうのは理にかなっている。

 ただし、中国への対抗姿勢ばかりを強調していても、共感が世界に広がらなければ、独りよがりに終わる。

 世界の問題に目を向け、苦境にあえぐ人々に手を差し伸べるのは、人権を重視する主要国として当然のことだ。遠回りでも、地道な努力で信頼を得ることが、G7の存在感を示すことになる。

 バイデン米大統領は、前任者のトランプ氏が揺るがした国際協調路線を、同盟国と協力して固め直す姿勢を示している。

 格差を是正し、自由や平等を実現する。こうした理念を掲げるG7には、世界の利益を追求する役割と責任がある。

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