連載

キズとカタチの総合医

命を救う。病気を治す。そのために進歩してきた現代医療の中で、見過ごされがちだった傷と形の問題に取り組む、形成外科の今をお伝えしていきます。

連載一覧

キズとカタチの総合医

応用範囲広い形成外科=桜井裕之・東京女子医科大学形成外科教授

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 前回は、口の中にできたがんの切除後の再建手術について話しました。がんが進行し顎(あご)の骨にまで達すると、骨も一緒に切除しなければならないことがあります。歯のかみ合わせは、上下の顎に生えている歯の微妙な位置関係で大きく変わってしまいます。

 そのため、手術後も同じようにかんで食事をするようになるためには、切除した部分にぴったり一致する骨の移植が必要です。骨は整形外科医が担当と思うかもしれませんが、主に形成外科医が担当します。口の中は常在菌が多く唾液で汚染されやすいので、前回説明した皮膚移植同様、骨も血流を維持しながら移植し細菌感染を防ぐ必要があります。

 先日も70代の人が歯科口腔(こうくう)外科医から紹介されてきました。右奥歯の歯茎にできたがんが骨に浸潤したため、右側半分の下顎の骨を切除する予定でした。下顎の骨は複雑な形をしていて、手術前に画像検査から患者の下顎の骨と同じ形の模型を作製し、骨の正確な切除範囲を教えてもらい、切除後の欠損部位に一致する骨として体のどの部分がよいかを考えます。

この記事は有料記事です。

残り460文字(全文910文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集