コウノトリに「食堂」を 野鳥愛好家ら休耕田を整備 滋賀

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田根小児童らが餌を放流した「コウノトリ食堂」。左奥に見えるのは西池=滋賀県長浜市池奥町の休耕田で2021年6月9日午前11時24分、長谷川隆広撮影 拡大
田根小児童らが餌を放流した「コウノトリ食堂」。左奥に見えるのは西池=滋賀県長浜市池奥町の休耕田で2021年6月9日午前11時24分、長谷川隆広撮影

 国の特別天然記念物・コウノトリに「食堂」を作ろう--。野鳥愛好家らでつくる「びわ湖野鳥の楽園プロジェクト」(中西佳澄代表、滋賀県長浜市)のメンバーが、同市池奥町の休耕田をコウノトリの餌場にしようと整備に奮闘している。

 コウノトリは5年ほど前から長浜市に姿を見せるようになり、多い時では十数羽が飛来する。田植えの時期から秋まで滞在することが多く、メンバーの一人は「コウノトリがこの地を選んでくれた。大切にしたい」と話す。同市田根地区や余呉地区などで餌をついばむ姿が見られるが、水田の水が抜かれると餌となる水生生物が減り、コウノトリも福井県や徳島県などに去ってしまうという。

今年滋賀県長浜市に飛来したコウノトリ=びわ湖野鳥の楽園プロジェクト提供 拡大
今年滋賀県長浜市に飛来したコウノトリ=びわ湖野鳥の楽園プロジェクト提供

 コウノトリは冬季に巣作りや交尾活動を始めるため、同プロジェクトは冬季の餌場作りに着手した。同市池奥町の西池北の谷間にある棚田で、休耕田となっている6面約1200平方メートルを地権者から無償で提供してもらい、昨年9月からメンバーが草刈りや水路整備を続けてきた。自然に流れている水を使うため年間を通して水がかれることがないという。

 今月9日には、近くの同市立田根小3~6年生27人と協力して「コウノトリ食堂大作戦」を実施。同校近くの水路や田でドジョウやザリガニ、トノサマガエル、タニシなど「ごちそう」を捕まえて、整備を進める「食堂」に放流した。すぐ近くの棚田で餌をついばむコウノトリが目撃されており、今回作った餌場にもやってくると見ている。

 同プロジェクトによると、コウノトリは肉食で1日400~500グラムの餌を食べるという。数が増えすぎると餌が足りなくなる恐れもあり、まずは3、4羽程度の定着を目指している。中西代表は「今後、ほかの休耕田にも餌場を広げ、コウノトリが定住できる環境を作りたい。一度巣を作ると長く居着いてくれると思う。みんなで見守るために見学のスペースも設けられたら」と話していた。【長谷川隆広】

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