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この国はどこへ これだけは言いたい 総務省接待問題を斬る 元東京地検特捜部長 熊崎勝彦さん 79歳

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インタビューに答える元東京地検特捜部長の熊崎勝彦さん=東京都港区で2021年6月7日、前田梨里子撮影
インタビューに答える元東京地検特捜部長の熊崎勝彦さん=東京都港区で2021年6月7日、前田梨里子撮影

政も官もタガ締め直す時

 総務官僚が放送法に違反した「東北新社」から酒食接待を受けた問題が新たな局面を迎えた。検証委員会が「行政がゆがめられたとの指摘を免れない」との調査結果をまとめたのだ。官と業のなれ合いを「捜査当局が徹底捜査しないと国民は納得しない」と言うのは大蔵省の接待汚職事件を手がけた熊崎勝彦・元東京地検特捜部長(79)だ。

 「単なるお付き合いで、タダガネを使う企業なんて、どこにもないですよ。会食には認定に関わる職員もいたんでしょ? そうであれば『行政がゆがめられた』疑いは生じるだろうねえ」。熊崎さんは、ちょっと古里・岐阜なまりを交えながら首をかしげた。

 問題となったのは、東北新社が衛星放送事業者に認定される際に、放送法の外資規制(議決権に占める外資比率は20%未満とする)に違反していたことだ。放送法に基づくと、この規制に反すれば総務省は事業の認定を取り消さなければいけない。にもかかわらず2017年1月に総務省は衛星放送の事業者として認定し、同社が違反に気づいて事業の承継先を子会社に変更すると、同年10月、これを認めたのである。

 検証委によると、その期間に認定や認可の決裁ルートにいた総務省の官僚5人が接待を受けていた。東北新社側の説明では、外資の問題に気づいて担当課長らに相談し、その上で子会社に移すスキームを使って事業を承継したのだが、一方の課長側は「違反について聞いたことがない」と全否定している。ただ、その課長は事業承継の時期に東北新社の幹部と会食し、プロ野球の観戦チケットをもらっていた。

 「業者側は、総務省に何かを期待している。じゃなきゃ、タダで飲ませ食わせをするわけないでしょ。官僚がそれを意識しないで接待にあずかるなんて、まずあり得ない」と熊崎さんは指摘すると、こう続けた。

 「両者の言い分に…

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