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金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

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ケネディ対ウォレス=小倉孝保

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 「私には夢がある」と米公民権運動の指導者、キング牧師が演説したのは1963年8月である。17分間の演説で彼は1カ所だけ、個人を攻撃している。南部アラバマ州のウォレス知事を、「邪悪な人種差別主義者」と呼んだのだ。

 ウォレスはその年の初め、知事に就任するや、「人種隔離は今も、明日も、そして永遠に」と演説している。アラバマを含む南部諸州は当時、人種隔離政策をとり、学校やバス、公衆トイレなどが白人用と有色人種用に分かれていた。知事は演説で、この政策の徹底遂行を宣言したのだ。

 これに「ノー」を突きつけたのがケネディ大統領だった。ウォレス(州)とケネディ(連邦政府)の対立は、アラバマ大学への黒人(アフリカ系)入学を巡り頂点に達する。白人ばかりのこの大学に63年、黒人2人が入学を希望すると、知事はこれを阻止するため大学周辺に州兵を展開させた。

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