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豪雨と防災情報 避難行動に役立つ運用を

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 近年、豪雨による水害が相次ぎ、多数の死傷者が出ている。このため、気象庁は今年の梅雨期から、「顕著な大雨に関する情報」を新たに発信する。

 積乱雲が連続的に発生し、同じ場所で長時間にわたって雨を降らせる「線状降水帯」を確認した際に出される。

 「災害発生の危険度が急激に高まっている」などと呼び掛け、ホームページの地図で降水帯の発生地域を示す。

 線状降水帯は、昨年の九州豪雨や2018年の西日本豪雨で深刻な被害をもたらした。犠牲者は計350人を超えた。

 情報発信を充実させ、住民の危機感を高めようという意図は理解できる。

 ただ、この情報は気象の状況を説明しているだけで、発表された時には既に対象地域は大雨となっている。住民がどう受け止めればいいのか分からず、混乱する恐れもある。

 国や自治体が出す他の情報と関連付け、住民の避難行動にどうつなげるかが課題だ。

 防災情報はかねて、数が多すぎて分かりにくいといわれてきた。このため、情報を危険度に応じて5段階に色分けした警戒レベルが19年に導入された。

 さらに、今年からは自治体が発令する避難勧告と避難指示を一本化した。いずれもレベル4に分類されていたが、違いが十分に理解されておらず、住民の対応が遅れるケースが多かったためだ。

 一本化によって避難指示を発令するタイミングは早まった。レベル4では全員が危険な場所からの避難を求められる。切迫度が高い情報であることを周知徹底する必要がある。

 同じ地域でも、自宅の立地によって被害は異なる。周辺の災害リスクに応じ、危険が差し迫った時に取るべき行動は変わってくる。各自が命を守るための判断をする際には、分かりやすい防災情報が欠かせない。

 近年、防災情報の見直しが繰り返されており、住民にどう浸透させていくかも問われている。

 国や自治体は、早い段階から記者会見やネット交流サービス(SNS)を通じ、きめ細かな情報発信に努めることが大切だ。

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