サミット開幕、途上国に10億回分のワクチン提供で合意へ

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会談を終え、肘でタッチを交わす菅首相(左)とジョンソン英首相=英コーンウォールで11日(代表撮影・共同) 拡大
会談を終え、肘でタッチを交わす菅首相(左)とジョンソン英首相=英コーンウォールで11日(代表撮影・共同)

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が11日午後(日本時間11日夜)、英南西部コーンウォールで開幕した。2年ぶりとなる対面式の会議で、影響力を拡大する中国やロシアなど権威主義的な国家に対し、民主主義国家の結束を強化する。期間中にはG7として途上国などに対して新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも10億回分提供することで合意する。

 10億回分のワクチン提供は、議長国である英国の首相官邸が明らかにした。ワクチンは途上国などを対象にした国際的な供給枠組み「COVAX(コバックス)」を通じて提供するほか、途上国がワクチンを確保するために必要な資金援助も行う。

 新型コロナ対策の柱であるワクチン接種は先進国を中心に進んでいるが、途上国では入手自体が難しく、ワクチンの「南北格差」が問題となっている。中国は途上国へワクチンを積極的に供与する「ワクチン外交」を展開しており、中国の途上国への影響力拡大を懸念するG7は、対抗できる途上国支援策づくりを迫られていた。

 サミットでは英国が呼びかける「2022年末までに全世界でワクチン接種を達成」との目標も合意される見通しで、「10億回分」との具体的な目標を共有することでG7は支援を加速させたい意向だ。

 またコロナの感染収束とともに、コロナ禍からの復興も重要な議題となる。1日目の11日の討議のテーマは「ビルド・バック・ベター」(より良い回復)で、コロナ禍で打撃を受けた世界各国の経済や社会の再生に向け、G7が協力することを確認。コロナ禍の最大の被害者は社会的弱者であるとの認識に立ち、途上国などにおける女子教育の機会拡充についても議論する。

 12日には、経済安全保障の観点から半導体などのサプライチェーン(供給網)に関し、中国への依存度を低くすることなどを協議する。外交政策については、台湾情勢や中国の海洋進出問題、中国の新疆ウイグル自治区や香港の人権問題も協議されるとみられる。

 最終日の13日には気候変動問題を議論する。11月開催の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の議長国でもある英国は、G7として石炭火力発電から脱却する姿勢を強く打ち出し、弾みをつけたい考えだ。サミットは13日午後、首脳宣言をとりまとめて閉幕する。【コーンウォール横山三加子、宮島寛】

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