特集

東芝経営問題

経営が迷走している東芝の一部株主に対し、経済産業省が圧力をかけていた疑いが出てきました。

特集一覧

東芝と経産省の異常な蜜月 ゆがめられた産業政策 検証報告書

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
東芝=東京都港区で、内藤絵美撮影
東芝=東京都港区で、内藤絵美撮影

 東芝が昨年7月に開いた定時株主総会の議案への賛否を巡り、東芝と経済産業省が一体となって海外株主に圧力をかけたとする報告書が公表された。そこに記された東芝と経産省との詳細なやりとりからは、重要産業を担う企業と所管官庁の蜜月ぶりが浮かぶ。株主への圧力を否定してきた両者の主張が揺らいでいるだけでなく、企業統治や産業政策がゆがめられたとの疑念が高まっている。

海外の「物言う株主」に二人三脚で圧力

 「筆頭株主がいろんなことを主張してくると想定しています。今月中にE社が規制当局に『重要な提案をしたい』と許可を得に伺うと想像していますが、その際には一報いただきたく」。2020年3月25日、東芝の豊原正恭副社長が経産省の当時の情報産業課長にそう連絡したところから、東芝と経産省の二人三脚が始まった。

 「E社」とは、旧村上ファンド系の投資ファンドでシンガポールに拠点を置く「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」を指すとみられる。東芝は経営危機を受け17年に増資した際、エフィッシモら「物言う株主」を引き込み、その対応に手を焼いていた。20年7月の株主総会でも、大株主のエフィッシモらが独自の取締役選任案を提案し会社側提案に反対することが予想された。

 東芝が目を付けたのが、同年5月8日に施行された改正外為法だ。外国人投資家による重要企業の株取得などの規制が厳格化された。東芝側は、自社が重要企業であることを背景に経産省に支援を求めた形だ。

 これに対し経産省の課長と当時の政策立案総括審議官が、同法に基づく調査を経産省に求める「申し入れ書」などを提出するよう東芝にアドバイスした。

 申し入れ書を受け、…

この記事は有料記事です。

残り2104文字(全文2801文字)

【東芝経営問題】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集