韓国最大野党「国民の力」代表に李俊錫氏 国会議員経験なし36歳

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韓国最大野党「国民の力」代表に選出され、花束を掲げる李俊錫氏(中央)=ソウルで2021年6月11日、AP 拡大
韓国最大野党「国民の力」代表に選出され、花束を掲げる李俊錫氏(中央)=ソウルで2021年6月11日、AP

 韓国の保守系最大野党「国民の力」は11日の党代表選で、国会議員経験のない36歳の李俊錫(イジュンソク)氏を選出した。大統領選の被選挙権は40歳以上のため来年3月の大統領選には出馬できないが、世代交代を強く印象づける野党リーダーの誕生は、若者票の掘り起こしなど大統領選の行方にも大きく影響しそうだ。韓国内では「政治史を書き直した」(聯合ニュース)などと衝撃が走っている。

 李氏は代表に選出された後、「惰性と固定観念を破れば世の中は変わる」と強調。「最重要課題は大統領選での勝利だ。我々も変化して強くなり、さらに魅力的な政党に生まれ変わらなければならない」と述べ、政権奪還に意欲を示した。

 李氏は米ハーバード大でコンピューター科学と経済学を学んだ。朴槿恵(パククネ)前大統領の抜てきを受け、「国民の力」の前身である「セヌリ党」で重用され「朴槿恵キッズ」と呼ばれた。弁が立つ一方、国会議員選挙には3回立候補していずれも落選。党内基盤も強くはない。

 李氏は5月28日の予備選をトップで通過。5人で争った11日の本選は、党員投票70%、市民世論調査30%の割合で合算して行われた。李氏には不利に働くとの見方もあったが、約44%を得票し、国会議員4期のベテランである羅卿瑗(ナギョンウォン)元議員(57)を7ポイント差で振り切った。党の刷新を求める声が後押ししたとみられる。

韓国最大野党「国民の力」代表に選出され、党の旗を振る李俊錫氏=ソウルで2021年6月11日、AP 拡大
韓国最大野党「国民の力」代表に選出され、党の旗を振る李俊錫氏=ソウルで2021年6月11日、AP

 韓国の保守勢力は60代以上の支持が厚いため、李氏が今後どこまで若年層に浸透できるかが焦点となる。

 2016年の朴前大統領の弾劾に伴う分裂などで、「国民の力」は支持率の低迷が続いていた。だが文在寅(ムンジェイン)政権も不動産価格の高騰などに有効な対策を取れず、20~30代の与党離れを招いていた。こうした中、今年4月にあった首都ソウルと第2の都市・釜山の市長選では、野党候補が与党候補に圧勝。野党は政権交代に向けた足がかりを得た。

 ただ、「国民の力」には大統領選の有力候補がおらず、文政権と対立して今年3月に辞任した尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(60)を推す声もある。李氏は「さまざまな候補や支持者と共存できる党を作る」と述べ、柔軟に対応する考えを示した。【ソウル坂口裕彦】

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