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チャグチャグ馬コ、2年連続中止 飼い主高齢化で「馬離れ」に拍車

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チャグチャグ馬コに参加する予定だった馬たち=岩手県滝沢市の相の沢牧野で2021年5月21日、松本ゆう雅撮影 拡大
チャグチャグ馬コに参加する予定だった馬たち=岩手県滝沢市の相の沢牧野で2021年5月21日、松本ゆう雅撮影

 初夏の伝統行事「チャグチャグ馬コ」が新型コロナウイルスの影響で今年も中止となった。色鮮やかな装束と鈴をまとった馬の行進は地元住民や観光客を楽しませてきたが、参加する馬の数は年々減っている。関係者からは2年連続の中止でさらに「馬離れ」が進むのではと懸念の声が上がる。【松本ゆう雅】

 チャグチャグ馬コは、江戸時代に農家が農耕馬の無病息災を祈る神事として始まり、1978年に国の無形民俗文化財に指定された。盛岡市によれば、93年には99頭が参加したが、2019年は63頭まで減った。飼い主の高齢化で飼育が困難になるケースが増え、今後も減少傾向は続くとみられる。

 チャグチャグ馬コ保存会は最盛期の「100頭」を目指し、10年度と11年度に計3頭の雌馬を購入し、生まれた子馬を譲渡する取り組みを始めた。計画的な繁殖は難しく現在までに譲渡された子馬は5頭にとどまる。飼育環境の整備もネックで、ある飼い主は「祭りに出れば出馬手当が出るが、新たに馬を飼おうとすれば資金がいる」とこぼす。

 実効性のある策を打つため、保存会は20年から10カ年の振興計画を策定し、関係団体などと協議を始めた矢先のコロナ禍だった。

 5月下旬。鞍掛山のふもとにある相の沢牧野(滝沢市)では、約4ヘクタールの土地に子馬を合わせた14頭が放牧されていた。飼い主の一人で南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会の会長、菊地和夫さん(70)は「人懐こく穏やかな性格だ」と相好を崩した。

 ただ、ここで放牧される馬も減っている。菊地さんによると「飼い主が亡くなって、馬を手放す家が多い」という。2年連続の中止に「馬をよそから借りて行進行事に参加していた会員の中には、これを機にやめようという人が出るかもしれない」と危機感を募らせる。

 一方で、感染防止対策として一時予定されていた盛岡、滝沢、矢巾の3市町での分散開催について「地元の人がより身近になると喜んだと聞いた。今後の祭り開催のあり方を考えるきっかけになるのではないか」と話した。

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