特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

大阪コロナ検証

クラスターでグループホーム「崩壊」 入居者家族も施設も修羅場だった

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
グループホームから別の場所に移るため搬送される入居者=大阪市城東区で2021年5月1日午後2時、猪飼健史撮影
グループホームから別の場所に移るため搬送される入居者=大阪市城東区で2021年5月1日午後2時、猪飼健史撮影

 新型コロナウイルスの「第4波」が猛威を振るった2021年4月、大阪市城東区内のグループホームでクラスター(感染者集団)が発生した。病床逼迫(ひっぱく)ですぐには受け入れ先の病院が見つからず、職員の離職で対応も遅れた。追い込まれた運営会社は入居者の家族の了解を得ずに施設の「休止」を通知し、入居者の引き取りを求める異常な展開に。最終的に入居者9人中7人が感染し、2人が転居後に死亡した。1人の職員の感染からわずか4日後、施設は「崩壊」した。

一方的な「休止」宣告

 このグループホームは、住宅街の築40年を超えるマンション内にある。東大阪市の女性(47)は4月24日、入居していた80代の母が感染したことを施設からの電話で知らされた。22日に職員1人の感染が分かり、入居者の検査を行ったところ、母を含む3人の陽性が確認されたのだ。25日には「職員が職場放棄し、担当者が1人でみている。家族が引き取るか施設で寝泊まりして面倒をみてほしい」と施設側から一方的な要求を受け、「家族で介護ができないから預けているのに」と混乱した。

 母は末期がんで、コロナ感染による重症化を心配したが、在宅介護は無理だった。26日には施設から休止する方針が伝えられ、「遠く離れた所に住んでいる家族が引き取ったケースもある」などと説得された。最終的には大阪市の担当課が受け入れ先の施設を見つけ、5月1日から過ごしている。市によると、他の入居者も同10日までに別の施設などに移った。

 施設の運営会社の男性社長が6月上旬、毎日新聞の取材に応じた。感染を恐れた高齢の職員が次々と離職した上、保健所から、入院先が見つからないため施設内の個室で隔離して介護を続けるよう、求められたという。社長は「有事の対応が必要だった。判断が遅れれば被害が拡大しかねなかった」と引き取りを求めた理由を説明。市も法令違反には当たらないと判断している。しかし、母が入居していた女性は「施設側でどんな努力をしたのか。何も説明はない」と話し、不信感は消えない。

「母が亡くなった経緯知りたい」

 「納得のいく説明はない。母がどういう経緯で亡くなったのか知りたい」。大阪府大東市に住む女性(72)の母(当時96歳)は、クラスター発生後、別の施設に転居できたが、新型コロナウイルスで亡く…

この記事は有料記事です。

残り2073文字(全文3029文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集