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発見!お宝 愛知県美術館/4止 単龍環頭大刀柄頭 木村定三氏の眼力

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古墳時代(6世紀中頃~後半)、愛知県美術館蔵
古墳時代(6世紀中頃~後半)、愛知県美術館蔵

 愛知県の美術品収集家である木村定三(ていぞう)氏は、自らの芸術観に基づいて美術品を収集し、一大コレクションを築いた。重要文化財3件を含む木村氏のコレクションは愛知県美術館でも重要な位置を占めている。木村定三コレクションのうちの1点である「単龍環頭大刀柄頭(たんりゅうかんとうたちつかがしら)」は、金宇大・滋賀県立大准教授の調査により、韓国・公州(コンジュ)の武寧王(ムリョンワン)陵で出土した現存最古とされる柄頭に製作時期が最も近いことが判明した。

 武寧王陵出土の柄頭は、6世紀初頭に作られたとは思えないほど造形が美しいが、時代が下るにつれて柄頭の装飾は次第に形骸化していく。当館の柄頭は竜の牙や三つの束に分かれた顎毛(がくもう)がはっきりと確認でき、輪の部分に張り巡らされた2頭の竜が尾をかみ合う文様も武寧王陵刀に通ずる。惜しむらくは、この柄頭がどこで出土したのか分からないことであるが、武寧王陵刀とここまで文様や意匠の特徴を一致させる作例は国内…

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