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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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再稼働目指す島根原発、どこまでが「地元」自治体? 専門家に聞く

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金井利之・東京大大学院教授(自治体行政学)
金井利之・東京大大学院教授(自治体行政学)

 再稼働を目指す中国電力島根原発2号機(松江市)について、原子力規制委員会は、国の新規制基準を満たしていると判断した。再稼働は地元自治体の了解を得てからになるが、どこまでが「地元」の自治体なのか議論の決着はついていない。原発と自治体の関係に詳しい金井利之・東京大大学院教授(自治体行政学)は、どう考えているのか。【聞き手・塚本恒/科学環境部】

 ――島根原発では、島根県と松江市が「地元」として中国電力と安全協定を結び、再稼働の判断をすることになっています。これに対し、原発事故があった時に避難が求められる原発30キロ圏内の五つの市が、松江市などと同様の安全協定を結ぶことを中国電力に求めています。

 ◆2011年の東京電力福島第1原発の事故前、国は防災対策の重点地域として、原発8~10キロ圏内を避難対象の区域として想定していた。ところが、実際に原発事故が起きると、避難や放射性物質の影響は数十キロを超えて広範囲に及んだ。このため、国は原発事故が起きた際に出す避難指示の範囲を原発30キロ圏内に見直した。

 原発事故で、原発が建っている「所在自治体」だけでなく周辺の自治体も影響を受けることが分かり、国が避難対象の区域を広げたのだから、当然再稼働を判断する自治体も広げなければおかしい。影響を受けるかもしれない周辺自治体にも判断の権利を認めるべきで、地元自治体として発言権があって当然のことだ。

 ――松江市は、再稼働を判断する自治体の拡大に慎重な姿勢です。一方、周辺自治体が再稼働の判断をさせるよう中国電力に要望しても、中国電力は正式に回答していません。何が課題なのでしょうか。

 ◆再稼働の判断について、…

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