進撃、鬼滅、呪術廻戦 コミックス限定版が続出する理由

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「進撃の巨人」最終巻が並ぶ店頭。限定の特装版は品切れの店も多かった
「進撃の巨人」最終巻が並ぶ店頭。限定の特装版は品切れの店も多かった

 書店やコンビニエンスストアの漫画コーナーがにぎやかだ。最終巻が発売されたばかりの「進撃の巨人」、昨年大ヒットした「鬼滅の刃」に話題作の「呪術廻戦」まで。驚異的な売り上げを誇るヒット作品ほど、付録や装丁にコストをかけた「限定版」も売られているようだ。限定版のルーツや背景を専門家と探ってみた。【松倉佑輔/デジタル報道センター】

「進撃」最終巻を求めて

 <特装版コンビニに入荷されてた!ゲット>

 <コンビニ5軒目、セブンイレブンでようやく特装版発見>

 <最終刊、コンビニ限定特装版買えたぞー!>

 6月9日。ツイッターでは未明から「進撃の巨人」のコンビニ限定「特装版」を購入できた喜びの声が広がった。

 進撃の巨人は諫山創さんが2009年から「別冊少年マガジン」(講談社)で連載を始めた少年漫画。巨人と人類の戦いという重いテーマを扱いながらも魅力的なキャラクターや複雑な伏線が話題となり、男女を問わず幅広い年齢層に受け入れられた。

 世界で1億部以上(電子版を含む)を売り上げるヒット作となり、今年4月9日発売の同誌で完結した。

話題となったコンビニ特装版

 今回、コミックスの最終34巻では、通常版(税込み572円)に加えて2種類の特装版を発売。連載前の「幻のネーム(絵コンテ)」2話の小冊子がついた「Beginning」を書店用に、138話と最終話のネームを収録した「Ending」をコンビニエンスストア用に用意した。いずれも1100円(税込み)だ。

 進撃の巨人では、12年発売の7巻以降、ほとんどのコミックスで「限定版」「特装版」を発売してきた。今回、特に注目を集めたのはコンビニ限定の「Ending」だ。

 コンビニ限定版の狙いについて、担当編集者はツイッターで「より多くの人に作品を知っていただくために、コンビニでも大規模宣伝をしていただければと思い、専用の商品を作った次第です」と説明した。

 コンビニ側も歓迎する。ローソンは「コミックスを購入されるターゲットとコンビニのメイン顧客層は近い。非常に親和性が高いため、大きな誘客になると考えております」(広報部)とコメントしている。

ほかの作品にも広がる

 限定版は近年、ほかのヒット作にも広がっている。昨年、日本中で大ブームとなった集英社の「鬼滅の刃」も20巻から最終23巻までは特装版やセット版が発売された。

 集英社は、電子版を含む累計発行部数が5000万部を超えた「呪術廻戦」でも、今年の冬に発売予定の18巻と19巻で初めてとなる同梱(どうこん)版の発売を決定、5月31日から予約を開始した。

 18巻はアクリルカレンダーなどがついて3850円(税込み)、19巻は作品内のアイテムの模型がついて4620円(同)だ。

 企画の狙いについて集英社は「本作品はアニメ化の前から原作イラストグッズの人気が非常に高く、コミックスにも付録のような付加価値を求める声があったため、そのニーズに応えるべく、今回はグッズ付き同梱版をご用意しました」(広報部)としている。

いつからあるのか?

 一体、こうした限定版はいつごろからあるのだろうか。出版や漫画の歴史に詳しい共立女子大学の山森宙史専任講師によると…

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