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「世界の盗塁王」 福本豊が悔やんだ939個目の新記録

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939盗塁を達成し、三塁ベース上で受け取った花束をかかげる阪急の福本豊=埼玉県所沢市の西武球場で1983年6月3日、岡本義彦撮影
939盗塁を達成し、三塁ベース上で受け取った花束をかかげる阪急の福本豊=埼玉県所沢市の西武球場で1983年6月3日、岡本義彦撮影

 通算1065盗塁で「世界の盗塁王」と称される阪急(現オリックス)の福本豊(73)には悔いの残る盗塁がある。1983年6月3日、西武戦(西武球場)で当時の世界新記録を樹立した939個目の盗塁だ。

 一回に二盗を決め、ルー・ブロック(元カージナルス)が持つ938盗塁の米大リーグ記録に並ぶと、6―11の九回に四球で出塁し、二ゴロで二進した。「点差が開いていたから、走る気がなかった」。だが、何度もけん制を受け、闘志に火が付いた。「走れと言うとんのか。ほな行きましょか」と4球目に三盗を決めた。

 花火が上がって祝福されたが、「乗り気がないのにやってしまい、気が重かった」と花束をもらっても笑顔はなかった。「マークが厳しくない三盗は簡単。二盗は難しく、競った試合で決めるのが面白い」と数字には無頓着だが、盗塁の内容にはこだわりがある。

 試合後、ビールで祝杯を上げた際、「担当記者からえらい怒られましたわ」と笑う。…

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