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伊丹市昆虫館むしばなし

伊丹市昆虫館のスタッフが虫たちが教えてくれるさまざまな話題を取り上げます。

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/15 繰り出す糸の恩恵 人とともに生きるカイコ /兵庫

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交尾をするカイコ(左:オス、右:メス)=兵庫県伊丹昆虫館提供
交尾をするカイコ(左:オス、右:メス)=兵庫県伊丹昆虫館提供

 <いたこん>

 カイコを見たことはありますか? カイコは5000年以上も昔の中国で、絹糸をとるために野生のクワコを品種改良し、飼いならして作り上げた昆虫です。チョウ目(鱗翅目(りんしもく))カイコガ科に属するガなのですが、成虫は飛べません。長い間交尾し続けるので産卵させるために、オスとメスを人が離してやらなければいけないし、幼虫は動き回らずに頭をもちあげて、クワの葉をもらえるまで待っています。繭をつくるためには幼虫を専用の足場(まぶし)に移動させたりと、人がさまざまな世話をして育てなければ生きていけません。野生では生きられず、野外にはいない家畜化された昆虫なのです。

 カイコの幼虫が吐き出す糸は絹(シルク)といわれるタンパク質でできている動物繊維です。羊の毛の「ウール」、カシミヤヤギの毛「カシミア」なども含まれ、綿や麻などの植物繊維とあわせて天然繊維といいます。成熟した幼虫(熟蚕)は、途切れることなく糸を吐き続け、2、3日かけて繭をつくります(営繭(えいけん))。一つの繭から約1500メートルの糸がとれ、着物1枚(反)750グラムを作るためには約3000個の繭…

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