特集

Listening

話題のニュースを取り上げた寄稿やインタビュー記事、社説をもとに、読者のみなさんの意見・考えをお寄せください。

特集一覧

社説

通常国会が閉会 首相の独善変わらぬまま

  • コメント
  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 新型コロナウイルス対策が最大のテーマだった通常国会が、きのう閉会した。

 野党は臨機応変にコロナ対応ができるよう会期延長を求めたが、与党は受け入れなかった。インド由来の変異株の流行が危惧される中、無責任と言わざるを得ない。

 150日間の論戦で浮き彫りになったのは、国民の疑問に向き合おうとせず、批判を受け入れない菅義偉首相の姿勢だった。

 コロナ下での東京オリンピック・パラリンピック開催に、国民の不安は強い。首相は「安全・安心な大会の実現に全力を尽くす」と繰り返すだけで、どのような条件なら開催できるかの基準を結局、語らなかった。

 政府は緊急事態宣言の発令と解除を繰り返した。1月の発令が遅れたのは、首相が経済を重視するあまり「GoToキャンペーン」にこだわったためではないか。

 3月の全面解除も、野党から「早過ぎる」との懸念が出ていた。しかし、首相は耳を傾けようとせず、第4波を防げなかった。

 党首討論ではこうした点を追及された。しかし首相は、希望する全国民にワクチン接種を10月から11月にかけて完了すると強調し、はぐらかした。

 ワクチン接種さえ進めれば、国民への説明が置き去りにされてよいわけではない。反省や検証がなければ、今後も同じ過ちを繰り返しかねない。

 説明を軽んじる姿勢はコロナ対応にとどまらなかった。

 放送事業会社に勤める首相の長男らが総務省幹部を繰り返し接待した不祥事で、首相は「長男は別人格」とかわし続けた。河井克行元法相ら側近議員の政治とカネを巡る事件も相次いだが、説明責任を果たそうとしていない。

 日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった問題も、拒否の理由すら明らかにしないままだ。

 首相は9月に召集が見込まれる臨時国会で、衆院解散を検討しているという。それまで国会が機能しないのは問題だ。野党は閉会中審査を求めている。首相が自ら出席する場を設ける必要がある。

 答弁が巧みでなくても、誠実に答えようと努めることはできる。国民に向けて真摯(しんし)に説明するよう、独善的な姿勢を改めるべきだ。

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

関連記事

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集