米露の対立 「解消」から「管理」へ 中国にらむ両国の思惑
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バイデン米大統領とプーチン露大統領は16日の首脳会談で、核軍縮などの分野で対話の道筋を見いだした。多くの問題で相違点を残しながら、双方が冷戦終結後最悪とされる関係から一定の歩み寄りを見せた背景を探った。【ジュネーブ鈴木一生、モスクワ前谷宏】
対話テーブル設置は合意
「ロシアに今後どう対処していくのか明確な基盤を確立した」。バイデン氏は首脳会談後に個別に臨んだ記者会見で、核軍縮に向けた戦略的安定性に関する対話やサイバー犯罪に関する協議の開始などの合意事項を挙げ、成果を誇った。
バイデン氏が対露関係で目指すのは、対立の「解消」ではなく「管理」することで「安定的で予測可能な関係」を築くことだ。会見では会談の目的を▽実務的に協力できる分野の特定▽米国の利益に反する場合は対処することの伝達▽米国の優先事項と価値観の明確な説明――だったと強調した。
そのうえでプーチン氏との関係を「信頼ではない。利益とその検証の関係だ」と説明し、率直に米国の「越えてはならない一線」を明確にすることで「協調」と「対立」をコントロールする考えを鮮明にしている。今月9日に始まった欧州歴訪の「総仕上げ」として「西側諸国を代表する立場でプーチン氏と会談できた。非常に有益だった」。バイデン氏は16日、帰国する際にジュネーブ空港で満足げに語った。
米国は国際情勢も考慮し、対露関係の改善に取り組む。ロシアはシリア内戦での人道支援、イランの核開発制限、9月までの駐留米軍撤収が予定されているアフガニスタンにも大きな影響力を持つ。バイデン氏は記者会見でこれらの問題を挙げ「両国で協力することで一致した。米国だけの利益ではなくロシアの利益にもなるからだ」と説いた。
一方でプーチン氏も「(現在の米…
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