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東京五輪は「終わりの始まり」 商業化、肥大化、離れる民意

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ロサンゼルス五輪の開会式で聖火台近くの高台から飛び出し、フィールドに舞い降りたロケットマン。ロス五輪以降、五輪の商業化路線は加速した=米ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで1984年7月28日
ロサンゼルス五輪の開会式で聖火台近くの高台から飛び出し、フィールドに舞い降りたロケットマン。ロス五輪以降、五輪の商業化路線は加速した=米ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで1984年7月28日

 「五輪は世界を映す鏡」といわれる。世界各国・地域から集まったアスリートが人種や性別、性的指向、宗教、政治信条などあらゆる違いを受け入れ、認め合い、競技を通じて交流を深める。平和の祭典と呼ばれるゆえんだ。しかし、パンデミック(感染症の世界的大流行)で格差が広がる中、国際オリンピック委員会(IOC)は資本の論理を優先して五輪開催へ突き進む。その姿こそ世界の現実ではないかと思えてくる。

 米パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授(政治学)は近著「オリンピック 反対する側の論理」で、「五輪は清算の時を迎えた。東京大会の延期は、五輪が現在のような形で存在すべきかどうかを見極める空間を生み出した」と指摘する。近代五輪が始まった1896年のアテネ五輪から125年。巨大化した五輪は「終わりの始まり」を迎えつつある。

IOCの「名義貸し」ビジネス

 IOCのトーマス・バッハ会長は10日の理事会後の記者会見で、「五輪は完全に実施段階に入った」と述べた。表現こそ穏やかだが、緊急事態宣言下でも開催すると断言したジョン・コーツ副会長、アルマゲドン(世界最終戦争)でもない限り予定通り進めると英紙のインタビューに答えた最古参のディック・パウンド委員と考え方は同じだ。

 ワクチンの普及で新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向となったが、世界では毎日、1万人超が亡くなっている。感染への不安は根強く、祝祭とはほど遠い。にもかかわらず、IOCが立ち止まろうとしないのは、…

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