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ビンラディンファイル/8 息子たちの針路 「私は暴力選ばない」

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世界貿易センター跡地のグラウンドゼロ=2012年、会川晴之撮影
世界貿易センター跡地のグラウンドゼロ=2012年、会川晴之撮影

 ビンラディンは54年の生涯で5人の妻との間に24人の子をなして大家族を築いた。息子や娘にまつわる秘話を掘り起こすと、大規模テロ実行に駆り立てられていくビンラディンの「血」とは何だったのか、深く考えさせられる。

 2000年10月、アフガニスタン南部カンダハル。郊外にあるビンラディンの厩舎(きゅうしゃ)に深夜、ある若者が忍び込んだ。馬に飛び乗り、東へと走らせる。盗賊が出没する道を6時間も駆け、夜明け前に目的地である国際テロ組織「アルカイダ」軍事部門トップ、アテフの家に着く。門を開けたアテフに若者は叫んだ。「お嬢さんをください」

 若者はビンラディンの六男ムハンマドである。数カ月前、彼は一目ぼれした1歳年下のアテフの娘ハディジャと結婚したいとビンラディンに告げる。アテフと相談した父は「俺は17歳で結婚した。お前はまだ15歳。2年待ちなさい」と命じた。普段は物静かで「恥ずかしげに笑う姿が父に似る」というムハンマドだが、意志の強さを父から引き継いでいたのだ。電撃的な求婚劇に双方の親は折れ、12月に盛大な結婚式を開くことが決まる…

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