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お祭りムードで人出増える? 五輪開催が行動心理に与える影響

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東京オリンピックのマラソンテスト大会で、観戦自粛が呼びかけられたが多くの観客が集まった場所もあった=札幌市北区で2021年5月5日、貝塚太一撮影
東京オリンピックのマラソンテスト大会で、観戦自粛が呼びかけられたが多くの観客が集まった場所もあった=札幌市北区で2021年5月5日、貝塚太一撮影

 新型コロナウイルスの感染が収束しない中、東京オリンピックの開幕が約1カ月後に迫っている。政府は観客数を最大1万人までに制限する方針だが、有観客での開催は人出の増加を招き、感染の再拡大につながることを危惧する専門家は多い。五輪開催は人々の行動にどのような影響を与えるのか。コロナ禍での人々の行動心理を考察してきた原田隆之・筑波大教授(臨床心理学)に聞いた。【聞き手・岩崎歩/科学環境部】

 ――長引くコロナ禍で、感染対策が難しくなっています。

 ◆国内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年5カ月以上たち、徐々に重症化しやすい人たちの特性も分かってきました。当初は大多数の国民が未知のウイルスを恐れていましたが、現在では他の年代に比べると重症化しにくいとされる若者を中心に慣れが生じてしまっていると考えています。これまで外食したり、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」などを利用したりしても感染が判明しなかった人などは、実体験を通して「自分は大丈夫だろう」といった楽観バイアス(偏り、思い込み)を強めてしまっていると思います。

開催が「外出」「飲みに行く」口実に

 ――コロナ禍が続く中で東京五輪・パラリンピックが開催されようとしています。

 ◆開催による国民への影響は心理的な側面から見ても大きいと思います。まず、五輪開催と感染対策はどう考えても両立しません。例えば、聖火リレーや実際のマラソンコースを使用した札幌市のテスト大会で、選手らが公道を走る一方で、沿道に集まらないようにと矛盾したメッセージが発信されました。結果的に沿道に人が集まってしまった場面が報じられましたが、人の心理から考えれば当然の行動です。

 矛盾したメッセージが出されることは非常に危険だと感じています。人は矛盾したメッセージが出された際に、自分に都合の良い方を選ぶ傾向があります。五輪の開催が、人々の「外出したい」「飲みに行きたい」などという気持ちを後押しし、そうした行動を促す動機付けになってしまうと思います。

 ――五輪開催で、人の動きが活発化すると懸念されています。心理的な側面から考えられる理由を教えてください。

 ◆矛盾したメッセージが出される影響以外にも、いくつかの要因が考えられます。まず、人は得を…

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