北海道土産「木彫りの熊」のルーツは… 時代に翻弄されながら継承

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木彫り熊の町民講座で、受講生にほほ笑みながら指導する講師の千代昇さん=北海道八雲町で2021年6月5日午前11時6分、真貝恒平撮影
木彫り熊の町民講座で、受講生にほほ笑みながら指導する講師の千代昇さん=北海道八雲町で2021年6月5日午前11時6分、真貝恒平撮影

 かつて北海道土産の代表格として、一世を風靡(ふうび)した木彫りの熊。発祥地の一つとされる八雲町で今年、木彫りの技術伝承を目的に1971年から始まった町民講座が半世紀を迎えた。彫り師の減少に伴い約10年間休止された講座だが、かつて受講生だった千代昇さん(87)が4代目講師となり、2013年に再開された。町の熊彫(くまぼり)文化は、時代の流れに翻弄(ほんろう)されながらも脈々と受け継がれている。

 「カン、カン、カン」。土曜日の午前中、同町の木彫り熊資料館の一室に、のみを小づちで打ち付ける乾いた音が響いた。「初めてだから仕方ないか」「失敗は成功のもと」。千代さんは受講生が彫ったシナノキの角材を手に取り、優しく声を掛けた。受講生が描いた熊の設計図を基に、のみや彫刻刀などで尻部分から彫り込んでいく。受講生は、その手先を真剣な表情でのぞき込む。時折、冗談を交えアドバイスする千代さん。受講生から笑いが起こり、穏やかな雰囲気に包まれた。

 千代さんは元々、…

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