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パターン化された政治報道 森だけでなく木にも目を注げ=金平茂紀

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 人間は、行き詰まってくると、冷静に物事が判断できなくなって、すぐに保身に走り、大きな見取り図にしがみつく。時々テレビが嫌になる。見取り図にしがみつくように勧める役割を果たしているからだ。考えてみればもう1年以上、この大きな見取り図の中で僕らは動いてきた。コロナ禍と東京五輪。どんな報道をする際にも、このコロナ禍と五輪が影を落としていることに、どこか慣れ切ったというか、パターン化してしまったのだ。お天気や株価がニュースの中で毎日報じられるのと同じように、テレビは全国の新型コロナウイルス感染者数や死者、重症者の数を日々刻々と報じることに慣れ切ってしまった。本当は、少数でもいい、このパターン化はおかしいんじゃないか、と声を上げる者がいた方が健全だと僕は思う。

 パターン化しているテレビ報道の最たるものは、政治報道とりわけ国会報道である。今週、通常国会は会期末を迎え、この危機的な社会情勢にもかかわらず、会期も延長されないまま閉会した。政治報道は、相変わらずのパターン化された報じ方で、野党が内閣不信任案を提出すると「与野党の攻防が最大の山場を迎えています」等の常とう句が繰り返されていた。テレビに出てくる政治コメンテーターたちは、今後のシナリオを得々と予想し…

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