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沖縄戦

「鉄の暴風」が吹き荒れた沖縄戦から77年。約3カ月に及んだ地上戦は住民を巻き込み、日米合わせて計約20万人が犠牲となった。

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一家全員戦火の犠牲に 名前分からぬ「○○の子」

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 「助(たし)きてぃくぃみそーりよー(助けてください)」。入り口が塞がれた壕(ごう)の中から聞こえていた声は数日たって途絶えたという。

 沖縄本島南部、現在の糸満市束里(つかざと)にあった山城(やまぐすく)壕では、太平洋戦争末期の沖縄戦で一家5人が生き埋めになったと伝えられる。米軍の砲弾が近くに落ち、巨大な岩盤が入り口を塞いだ。たまたま壕の外にいて一人だけ難を逃れた10代の少女が、多くの住民が避難していた近くの自然洞窟(ガマ)に駆け込んだ。

 壕の中にいたのは少女の母やきょうだい。ガマにいた男性たちが米軍の攻撃がやんだ夜に壕に行ったものの、救助は困難を極めた。

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【沖縄戦】

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