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滝野隆浩の掃苔記

社会部・滝野隆浩専門編集委員のコラム。

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滝野隆浩の掃苔記

「没後40年」の墓参り

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東京・多磨霊園にある向田邦子さんの墓前で手を合わせる長江曜子・聖徳大教授。右手に森繁久弥さんの言葉を刻んだ墓標がある
東京・多磨霊園にある向田邦子さんの墓前で手を合わせる長江曜子・聖徳大教授。右手に森繁久弥さんの言葉を刻んだ墓標がある

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 就寝前に、向田邦子さんの短編を1編ずつ読んでいる。

多磨霊園(東京都府中市)の墓に行って以来、習慣のようになった。お墓博士、長江曜子・聖徳大学教授と行く墓めぐりは10回目である。

 向田さんは「寺内貫太郎一家」など人気ドラマの脚本を書き、短編集「思い出トランプ」収録3作で直木賞を受賞した。多くの小説やエッセーを書いていたが、受賞翌年の1981年8月22日、台湾旅行中の飛行機事故で亡くなる。51歳の若さだった。今年は没後40年にあたる。

 霊園は広い。墓はすぐには見つからないから、長江先生のミニ文学講義を聞きながら探し回る。これが楽しい。「向田作品には、戦争観や人間ドラマが、どこにでもある家族の、何気ない日常のひとコマとして描かれている。観察眼がすごいんです」

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