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弱点なく、なお伸びしろ 谷川浩司九段が見る藤井聡太棋聖の可能性 指し手に心の揺れない、強い精神力

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インタビューに答える将棋界レジェンドの谷川浩司さん=東京都文京区で2021年5月31日、前田梨里子撮影
インタビューに答える将棋界レジェンドの谷川浩司さん=東京都文京区で2021年5月31日、前田梨里子撮影

 史上最年少で2冠を獲得した藤井聡太棋聖(18)=王位=の活躍などで将棋界は空前のブームが続く。その藤井さんは現在、第92期棋聖戦五番勝負で2連勝し、初防衛に王手をかけている。藤井さんと同じく「中学生棋士」として華々しくデビューし、史上最年少名人記録と十七世名人の資格を持つ谷川浩司九段(59)は、今の藤井さんをどう見ているのか。

 谷川さんは1976年にプロ入り。加藤一二三さんに次ぐ2人目の中学生棋士となった。83年に21歳2カ月の若さで名人の座に就いた。「光速の寄せ」と呼ばれる終盤の強さを武器に、一時代を築いた将棋界のレジェンドである。「好きな色」という鮮やかな紫色のネクタイをつけて現れた谷川さんのたたずまいはどこか気品がある。語り口も優しく、穏やかだ。

 コロナ禍で私たちの行動様式は大きく変わった。そんな中でも、谷川さんのライフスタイルは「皆さんと比べると、がらっと生活が変わるということではない」という。コロナ前でも外出は月3回ほどの対局とイベントなどで、それ以外は自宅で研究することが多かったそうだ。

 それでも2020年春、新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が全国に発令された頃は「徒歩圏内の生活」になった。解除後の同年6月ごろからは拠点の神戸市から解説の仕事などで東京に行くことも増え、秋からは棋士らが集まって実戦形式の練習対局を行う「研究会」も再開された。マスクをつけての長時間の対局にも慣れてきたという。「棋士は恵まれている。ぜいたくは言えません。…

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