松喬日和

噺家のオチつかない日常 居酒屋で附子「再現」 窮地にこそ笑いの文化を

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 5月3日は、繁昌亭のゴールデンウイーク(GW)興行に出演する予定でした。主任(トリ)が福笑師匠、その前(モタレ)が私でした。モタレの語源には諸説ありますが「トリに頼って(モタレて)楽な出番」が主たる意味です。しかし割られた(出番をもらった)当事者は悠長なことは言っていられません。「トリの食前酒になってたまるか。隙(すき)あらばトリを喰(く)ってやるぞ」ぐらいの気持ちで高座へ上がります。

 気持ちも高ぶってきた4月下旬、3度目の緊急事態宣言発令で東西の寄席の多くが休業となりました。落ち込んでいた5月3日の朝、お客様から宅配便が届きました。中身は韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)でした。添えられていたメッセージが次です。「今晩、思いっきりトリ(鶏)を喰ってください」。このお客様に座布団2枚~!

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