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母のケアを続ける27歳 「ありがとう」の言葉から気づいたこと

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母の車いすを押す麻衣さん=2021年6月1日午後3時18分、山田奈緒撮影
母の車いすを押す麻衣さん=2021年6月1日午後3時18分、山田奈緒撮影

 母の病気を隠すように生きてきた。家族で楽しく出かけた思い出もない。小学生のころからずっと「うちの家は普通じゃない」と思い、母と繰り返し衝突した。お互いを傷つける言葉がたくさん飛び交う日々があった。今も母のケアを続ける麻衣さん(仮名・27歳)は近ごろ、ようやく不安や悩みを家族以外に打ち明けるようになった。閉ざしてきた心の変化を感じている。【山田奈緒/デジタル取材センター】

 麻衣さんが幼いころから、母は病と闘っていた。母が患うのは脊髄(せきずい)小脳変性症という難病。進行性で、足がふらつく、ろれつが回らないなどの症状が出る。小学校の入学式や運動会、防災訓練などの行事には、同居する祖母が来た。「学校にお母さんが来ない時点で、普通の家じゃないと思っていた」

 家事全般は主に祖母が担った。ふらつく母を支える、病院に付き添うといったケアも祖母が引き受けてくれた。麻衣さんは学校を休み、通院に付き添ったことはあるが、ケアはそれほど頻繁ではなかった。

「私の家はおかしい?」

 中学1年のころ祖母が亡くなり、…

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