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写真館 大学湯 再び、人が集う場に /九州

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「大学湯」の浴場で作品制作に取り組む抽象画家の銀ソーダさん
「大学湯」の浴場で作品制作に取り組む抽象画家の銀ソーダさん

 かつて九州大の大学生らでにぎわった銭湯「大学湯」(福岡市東区箱崎)は、約90年前の建築当初の風情を今に残す。銭湯は廃業したものの、建物を保存し、地域の人々が集う新たな場所へ再生させようとする取り組みが進んでいる。

 大学湯は1932年、石井フミさんが夫とともに九大箱崎キャンパス近くに開業した。夫は日中戦争で戦死し、石井さんは4人の子どもを育てながら番台に座った。しかし戦後は各家庭に風呂が設置されて利用者が減り、箱崎キャンパスも伊都キャンパス(同市西区元岡)に統合。経営環境は年々厳しくなった。

 石井さんは2005年に96歳で亡くなり、次女の博子さん(85)ら親族で営業を続けたが、12年に廃業。博子さんは「客が減っても、母は『銭湯を閉める』と言わなかった。苦労しただけに大学湯への思いはひとしおだった」と振り返る。

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