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大学受験2021夏(6)九州・沖縄地区で有名企業への就職率高い大学は……

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実就職率が高い大学ベスト10
実就職率が高い大学ベスト10

 コロナ禍で経済の先行きが不透明になる中、これまで売り手市場だった大学生の就職活動にも影響が出始めている。そんな時に頼りになるのは各大学の就職・キャリア支援だ。2020年春の卒業生について、実就職率が高かった九州地区の大学をチェックしながら、その極意を探ってみよう。【中根正義】

 まずは、全国の動向から見てみよう。実就職率(就職者数÷{卒業(修了)者数-大学院進学者数}×100)によるトップ10は、金沢工業大をはじめ、理系の大学が上位に並んでいることが読み取れる。マイナビの高橋誠人編集長は「IT・情報分野の急速な進歩によって、文系、理系を問わず、新たな人材が社会のさまざまな分野で求められている。特に、数理的な素養をもった人材が不足している。理工系学部出身者は、そうした素養を身につけているので評価が高い」と説明する。

卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区でトップの九州工業大 拡大
卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区でトップの九州工業大

 九州・沖縄地区では、1000人以上の大学で、地元企業への就職が強い国立大が上位を占め、トップは九州工業大だ。同大学の強みは単なる実就職率だけでなく、ホンダやトヨタといった有名企業への就職者も多いことだ。大学通信が実施している「有名400社実就職率ランキング」でも全国7位と九州・沖縄地区の大学でトップに立ち、九州大(23位)を大きく引き離している。

卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区の公立大でトップの北九州市立大 拡大
卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区の公立大でトップの北九州市立大

 公立大トップの北九州市立大は、学生が企画から企業への参加交渉、当日の運営までのすべてを行う「合同業界セミナー」や「合同企業研究会」を14年前から行っている。職員カウンセラーによるサポートも万全で、参加企業からも好評だ。同大学キャリアセンターは「何よりも、学生が意欲的になり、就業意識が高まる」と指摘する。

卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区の私立大でトップの九州産業大 拡大
卒業者数1000人以上の大学の実就職率で九州・沖縄地区の私立大でトップの九州産業大

 8位で私立大トップの九州産業大は学内で開催される企業説明会に900社を超える企業が参加しているほか、東京や大阪の企業に就職を希望する学生のために、旅費の補助なども行う。就職活動経験者の4年生がアドバイスを行う「ジュニア・アドバイザー制度」があり、キャリア支援センターに常駐することで就活生に貴重な助言をしている。

 次に、卒業生が1000人未満の大学をみてみよう。トップの福岡県立大や4位の九州栄養福祉大、福岡女学院看護大、中村学園大、九州ルーテル学院大などは看護・福祉系、管理栄養士・栄養士、小学校・幼稚園教諭、保育士などの資格取得に強みを発揮する学部を持つ大学だ。理工系学部を持つ福岡工業大や第一工業大、日本文理大、西日本工業大などもベスト10入りしている。

 この中で注目は福岡工業大だろう。学内合同企業説明会を年4回実施するほか、学科別に相談員を置くなど、キャリア支援もきめが細かく、県外企業希望者への交通費や宿泊費補助も行っている。企業との関係では、東京や大阪、福岡の上場企業を招いた企業交流会を開催するなど、企業との顔の見える関係構築にも力を入れる。

 キャリア支援に力を入れている大学は、企業と独自のパイプを持ち、それが強みになっている。志望校選びは、教育環境だけでなく、キャリア支援の充実度も含めて考えてみたい。

令和健康科学大、開学へ 学部・学科、改組は小幅 九州・沖縄

 来年春、九州・沖縄地区の大学や学部・学科の新設・改組は、小幅にとどまりそうだ。

 大学の新設では、令和健康科学大(福岡市東区和白丘)の開学が計画されている。構想では看護学部看護学科とリハビリテーション学部理学療法学科・作業療法学科の2学部3学科からなる。首都圏や福岡県周辺で一般病院やリハビリテーション病院、専門学校などを運営しているカマチグループ傘下の学校法人・巨樹の会が設置母体だ。関連病院に隣接する土地にキャンパスを建設中で、高度な知識と専門的な実践力を備えた医療人を育成するという。

 学科設置では、崇城大生物生命学部に生物生命学科を設置予定だ。2年次から応用生命科学、生物機能科学の2コースに分かれ、専門的な知識を学ぶ。医薬、食、環境といった分野の生命科学のスペシャリストを育てる。

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