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高齢者施設クラスターなぜ防げない? 神大病院・宮良高維教授に聞く

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神戸大学病院感染制御部・宮良高維教授(本人提供)
神戸大学病院感染制御部・宮良高維教授(本人提供)

 新型コロナウイルス感染症で、高齢者施設で発生するクラスター(感染者集団)をなかなか防ぐことができない。高齢者は感染すると重症化リスクが高く、死者増の大きな要因とされる。兵庫県で数多くのクラスターに対応してきた神戸大学病院感染制御部・宮良高維教授(呼吸器感染症)に現状と対策を聞いた。【村田拓也】

保健所、問題点掘り起こし支援を

 ――兵庫県内で具体的にどういう事例と向き合いましたか。

 ◆これまでに10施設以上の感染対策支援に入りましたが、去年の秋の第3波でのことです。ある高齢者施設内での感染者は100人以上に達しました。私は4日後に入りましたが、4日ぐらいたつと普通の施設では防護具など物資が足りなくなり、使い回ししていることがあります。この施設では関連施設など外部から送られてきたものがあり、関係者はそれを着用し、ゾーニング(病棟ごとの区域分け)を行っていました。しかし、デイケアや通所サービスを通じてウイルスが持ち込まれ、その一つのフロアの中でモザイク状に患者が収容されていたところがあり、そこから広がったんだと考えられました。

 陽性の方が出たらフロアの一方向の端にできるだけ部屋を移動して移ってもらうのですが、数が多くなるとなかなかそうはいきません。フロア全体に感染者が存在する可能性のある「レッドゾーン」になっていましたので、居室にはフロアのベランダから出入りし、空室の1部屋だけを清潔な「グリーンゾーン」にして、そこで着替えて防護具を着て中に職員が入るという方法が取られていました。

 ただ、幸いその施設では、重症であった何人かの方は他の病院に入院できましたし、職員の方々が使命感を持たれて、感染の有無に関係なく献身的にケアされていました。しかし、症状もほとんどなく検査が当初は陰性であった方などを介して、気づかれにくいところで感染が広がるところが本感染症の感染対策の難しい点なのです。防護具も小規模の施設ほど足りないことが多いので、保健所は「足りない資材は何で、量はどの程度か」も尋ねて問題点を掘り起こし、支援をする必要があると思いました。

 ――第4波では、…

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