「ピアソラはジャンル」 硬派弦楽アンサンブル「石田組」組長語る
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2021年は舞曲のタンゴとクラシックやジャズを融合して独自の音楽を作り出したアルゼンチンの作曲家、アストル・ピアソラ(1921~92年)の生誕100年にあたる。ジャンルを超え多様な音楽を取り上げてきた硬派弦楽アンサンブル「石田組」もピアソラの演奏に力を入れる。9月20日にはびわ湖ホール(大津市)で、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」と、ヴィヴァルディの「四季」をまとめて披露する予定だ。石田組の「組長」でヴァイオリニストの石田泰尚さんにピアソラへの思いなどを聞いた。
楽譜通りが「かっこ悪い」
石田組の結成は14年だが、ピアソラと石田さんの出会いは00年に訪れた。サクソフォン、ピアノとの三重奏「トリオ・リベルタ」で演奏することになり、リハーサルで楽譜通りに弾いたところ、「なんか俺、かっこ悪い」と戸惑いを覚えた。もともと他人の演奏をCDなどで聴く習慣はなかったというが、「これはマズい」とピアソラ本人の録音を徹底的に聴き込んだ。「クラシック音楽とは違う“タメ”があるし、4拍と書かれているところを5拍に延ばしたり、楽譜とは全然違ってました」。模倣のような演奏から始めて20年余り。「年を追うごとに、だんだん自分の演奏になってきた」という。
ピアソラはバンドネオンなどの演奏家として音楽活動を始めたが、同国人のアルベルト・ヒナステラやフランス人のナディア・ブーランジェからクラシックの理論を学び、作曲の腕を磨いた。石田さんは「自分の…
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