「アリババ憎し」で変わる中国ネット通販 1強体制は続くのか

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スマートフォンのアプリなどで「6・18セール」をチェックする大学院生=北京市内で2021年6月18日午前11時23分、小倉祥徳撮影
スマートフォンのアプリなどで「6・18セール」をチェックする大学院生=北京市内で2021年6月18日午前11時23分、小倉祥徳撮影

 中国がネット通販大国であることは、多くの人の知るところだろう。年数回開かれる大規模なセールスイベントでは、大手通販会社間で激しい値下げ競争が展開され、過去最高の売上高が記録されるのが常である。だが、そんな中国通販市場の光景に、少し変化が生じているという。中国当局の動きが大きく影響しているというのだが、一体どういうことなのか、背景を取材した。【小倉祥徳/中国総局】

「思ったより安くない」

 変化を体感するため、さっそく大規模セールスイベントに参加してみた。ネット通販取扱高で中国2位の大手「京東集団(JDドット・コム)」が始めた「6・18」(原則6月1~18日)である。京東の創立記念日に合わせて開かれるこのイベントは、最大手の「アリババ集団」が開始した「独身の日」に対抗して始まった経緯もあり、毎回開催期間中は大手が激しい安値競争を繰り広げるのが定番となっていた。

 17日深夜、スマートフォン(スマホ)にダウンロードしたアリババと京東のアプリを通じて、最近足りなくなってきた日用品を探す。米国系シャンプー(500ミリリットル)29・9元(約500円)、欧州系液体ボディーソープ(730グラム)21・9元、中国系液体洗剤(2・5キログラム)16・71元--。検索して出てきた商品の中から、好みのものを選んで確定。決済まで1~2回の操作で済むなどスムーズで、買い物は30分もかからず終了した。

 価格はいずれも送料込みで、定価より2~5割程度値引きしていると表示されていた。実際に、近所のコンビニなどと比べてそれなりに「お買い得」とは思う一方で、「激安」とまでは感じなかった。

 買い慣れている地元の人たちはどう感じたのか。北京市の大学院生の任さん(23)は、室内用トレーニング機器と日焼け止めクリームを計650元で購入したが、「普段から欲しいものの価格をこまめにチェックしていますが、通常のセールスイベントと大きな差はなかったです。いま欲しかったからたまたま買いました」と話す。別の大学院に通う劉さん(23)も「6・18だから特別安くなっているとは思わなかったので、何も買いませんでした」と落胆した様子だ。

 京東集団は19日未明、期間中の取引額が3438億元(約5・8兆円)と今回も過去最高額を更新したと発表したが、海外ブランド品の品ぞろえを増やしたことなどを強調。中国のネットメディアは「今年の6・18は価格ではなく、(新商品の品ぞろえなど)サービスを競い合っている」「数年前に比べて、今回の6・18の割引は大きくない」と相次いで報じ、値下げ競争が抑制的だったことを指摘した。

「アリババたたき」で空気に変化

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