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環境破壊=エコサイドは裁けるか 「第5の国際犯罪に」運動拡大

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 エコサイドという言葉を知っているだろうか。ギリシャ語とラテン語を組み合わせて「私たちの家を殺す」という意味になる造語で、大規模な環境や生態系の破壊行為を指す。このエコサイドを戦争犯罪やジェノサイド(大量虐殺)に並ぶ重大な国際犯罪として規定するよう求める声が勢いを増している。環境破壊が国際法廷で裁かれる日は訪れるのか。【八田浩輔、パリ久野華代】

 「環境を守るには、政治、外交、そして法的なさまざまな手段を使う必要がある」。国際刑事裁判所(ICC)で裁く犯罪にエコサイドを加えることを求める世界的な国際法の専門家グループが6月22日、関連条約の改正草案を独自にまとめ、オンラインで記者会見を開いた。

 オランダ・ハーグにあるICCは、国際社会全体の関心事である重大な犯罪に関与した個人を裁く常設の国際裁判所だ。設立条約のローマ規定では、ICCが管轄する対象犯罪を、ジェノサイドや人道に対する罪など四つに限定している。草案では、ローマ規定に「五つ目」の犯罪としてエコサイドを加える。

 ICCの元裁判官ら12人が名を連ねた専門家グループは、半年をかけて議論を重ね、エコサイドを「環境に深刻かつ広範、または長期的な損害を与える可能性があることを知りながら行う不法ないし無慈悲な行為」と定義した。共同座長を務めた英ロンドン大のフィリップ・サンズ教授は会見で「これは市民の意識を変えるための広範なプロセスの一部にすぎない」と述べ、社会的な機運の高まりに期待を込めた。サンズ氏は、ナチスドイツの戦争犯罪を裁いたニュルンベルク裁判に関する著作でも知られる国際法の大家だ。

ベトナム戦争の枯れ葉剤に源流

 エコサイドの原点はベトナム…

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