特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

時空超えるアーカイブの力 権利の壁に道筋を コロナ後のエンタメ

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
インタビューに答える福井健策弁護士=東京都港区で2021年6月16日、前田梨里子撮影
インタビューに答える福井健策弁護士=東京都港区で2021年6月16日、前田梨里子撮影

 コロナ禍で劇場での演劇やコンサートの公演が制限されたことで、逆に広まったのが舞台公演などのオンライン配信だ。しかし、配信の現場では複雑な権利関係が障壁にもなっているという。エンターテインメント界の動向や著作権法に詳しい福井健策弁護士(55)=第二東京弁護士会=に“アフターコロナ”のエンタメの発展に向けた課題と提言を聞いた。【聞き手・構成 伊藤遥】

 この約1年間、新型コロナウイルスが文化芸術界に与えたダメージは壊滅的だった。ぴあ総研の推計が有名だが、それまで絶好調だったライブイベントは、自粛要請で昨年は前年比約80%の売り上げ減。もともと自転車操業に近い産業で、経済的な体力は弱い。そこが何億円単位の損失を突然被り、離職や倒産という言葉がよぎってくるような状況に、あっという間にたたき込まれてしまった。しかも将来の見通しがたたず、先が読めない。そんな状況が続いてきた。

 昨年、世界中のエンタメ業界が苦境に立たされる中、米ブロードウェーやヨーロッパの歌劇場は、こぞって過去の舞台映像を高画質で各家庭に配信した。なぜなら“権利処理”(作品に関係する権利者たちから許諾を得る作業)の済んだ名作舞台の映像をふんだんに持っていたからだ。外出できない人はそれを喜びにし、劇場側には寄付や感謝の声も集まった。俳優やクリエーターにとっても、「自分たちは社会に不要な存在では」といったやるせない思いが緩和される力になったことだろう。

 だが、日本にはこれが少なかった。代わりに各…

この記事は有料記事です。

残り2641文字(全文3273文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

注目の特集