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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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難民条約 日本は加入40年 申請すらできず門前払いも

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「こうして強く口と鼻をふさがれ、息ができなくなった」。強制送還されそうになった2019年の出来事を証言するピーターさん=東京都内で2021年6月12日午後3時1分、井田純撮影
「こうして強く口と鼻をふさがれ、息ができなくなった」。強制送還されそうになった2019年の出来事を証言するピーターさん=東京都内で2021年6月12日午後3時1分、井田純撮影

 自国での迫害や命の危険から逃れてきた難民の保護をうたう「難民条約」が国連で採択されて今年で70年。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、紛争などで故郷を追われた国内避難民を含む難民、難民申請者は、2020年末時点で約8240万人と過去最多を記録した。だが、同じ年に日本が認定した難民の数はわずか47人で、「難民鎖国」と批判される状況は変わっていない。日本の難民条約加入40年でもある今年、当事者らの声を聞き、改めて現状を考える。

 「難民を強制送還するな」「難民を全員解放しろ」--。国連が定めた「世界難民の日」の6月20日、東京出入国在留管理局(東京都港区)前には100人を超える市民が集まり、難民の人権保護を訴えるデモが行われた。建物内の収容施設からは、収容を解かれずにいる外国人の「ありがとう」という声が響いた。

 「世界難民の日」に先立って、内閣府国際平和協力本部事務局のツイッターアカウントは、<#難民とともに>のハッシュタグ付きで、<日本からの難民支援への連帯>などとツイート。これに対してツイッター上では<難民認定が世界一冷酷な国><自国の入管を何とかしろ>などの厳しい指摘が相次いだ。

 法務省の統計では、16年から19年まで難民認定申請者は4年連続で1万人を超えていたが、認められたのは20~44人で認定率は0・5%未満だ。他の先進国はどうか。UNHCRによると、19年はカナダが約56%で2万7000人以上、比較的認定率が低かったフランスでも約19%で3万人以上が難民と認められた。英、米、独も認定率約26~46%でいずれも実数は1万人を超えている。

 先進諸国の中で、難民受け入れに消極的な姿勢が際立つ日本。何がこれほどの差につながっているのか、難民行政を所管する出入国在留管理庁に尋ねても、「認定は適正に行っている」という。本当にそうか。

 「空港での入国審査の時点で『私は難民です』と申し出ました。すると…

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