再考エネルギー

太陽光発電が「公害」(その2止) 希望の光、地域に影 太陽光訴訟、20件以上

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太陽光発電所建設のため伐採された現場。集団訴訟に踏み切った原告団の共同代表を務める多田恵一さんは「土砂崩れが心配だ」と訴える=奈良県平群町で、岡大介撮影
太陽光発電所建設のため伐採された現場。集団訴訟に踏み切った原告団の共同代表を務める多田恵一さんは「土砂崩れが心配だ」と訴える=奈良県平群町で、岡大介撮影

 

 奈良県平群(へぐり)町では3月、住民約1000人が「土砂災害の危険がある」などとして、太陽光発電の事業者を相手取り、事業の差し止めを求める集団訴訟を奈良地裁に起こした。48ヘクタールの山地を伐採し、5万枚のパネルを敷き詰める計画だ。

 事業を手がけるのは「協栄ソーラーステーション」という合同会社。登記された住所に行くと、東京都内のマンションの一室で、呼び鈴を鳴らしたが応答はなかった。住民説明会の配布資料などによると、協栄はこの太陽光発電事業のために作られた会社で、米カリフォルニア州にある投資ファンドが代表権を持つ別の合同会社が実質的に管理している。

 もともと町が2019年に発電に関する協定を結んだ相手は、協栄とは別の会社だった。協定ごと協栄に引き継いだ後、この会社は清算されている。事業を担う会社の実態が分からないことに住民の不安は募っており、原告団の共同代表を務める多田恵一さん(78)は「我々が親しんだ山だ。地元に根ざさず、激しく交代する業者が開発するのはおかしい」と憤る。協栄側は取材に対し、弁護士を通じ「訴訟を通じて適切に主張する」とコメ…

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