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常夏通信

その100 戦没者遺骨の戦後史(46) 辺野古「呪われた基地になる」

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沖縄戦の戦没者を葬った「魂魄の塔」。遺骨は移されたが、今も遺族らが花を手向ける=沖縄県糸満市で2021年6月21日、栗原俊雄撮影
沖縄戦の戦没者を葬った「魂魄の塔」。遺骨は移されたが、今も遺族らが花を手向ける=沖縄県糸満市で2021年6月21日、栗原俊雄撮影

 「信じられない。ショックを受けました。自分の先輩の遺骨も混じっているかもしれない。もし(本島南部の遺骨が)埋め立てに使われたら、のろわれた基地になる」。6月22日、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で、元在沖米海兵隊員で国際政治学者のダグラス・ラミスさん(84)はそう話した。「本当に信じられない」

 我らが日本政府は、沖縄県名護市で米軍基地の新設を進めている。その埋め立てに、沖縄本島南部の土砂を使う可能性がある。同島で戦没者の遺骨収集を40年近く続ける具志堅隆松さん(67)は今年3月1~6日に抗議のハンガーストライキをし、6月19~23日に第2弾を決行した。22日には、同公園でオンライン集会を配信した。

「先輩の遺骨が含まれているかも」

 参加したダグラスさんは那覇市在住で、流ちょうな日本語を話す。「(辺野古に建設される基地の米兵は)いろんな宗教の人がいます。自分の眠っているところの下に遺骨があると分かったら、悪夢を見たり、精神状態がおかしくなったりする人もいると思う。日本政府はそれが分からないのでしょうか」と続けた。

 「基地反対、賛成以前の問題です。人道上許されることではありません」。具志堅さんはそう話す。私もそう思う。土砂は沖縄県南部以外、日本中にたくさんある。県外の土砂を使うとなると、検疫のチェックが必要になるだろう。コストも増すだろう。それらを込みで、日本政府が行うべき仕事だ。

 さて多くのメディアが夏を中心に行っている戦争報道=「8月ジャーナリズム」を、一年中している本連載は2019年7月25日に始まり、毎週木曜日アップで今回が100回目、3年目に突入する。連載200回を目指してがんばります。引きつづぎご高覧ください。

戦争は終わっていない

 長々と書いているが、主張しているのは大きく言って二つしかない。一つは「広義の戦争は終わっていない。戦争被害で苦しんでいる人は今もた…

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