「宇宙一かっこいい」トップの去り際とは 宝塚歌劇・珠城りょう

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 後継者が「宇宙一かっこいい」と称賛したのも、うなずけた。宝塚歌劇団を8月15日に退団する月組トップスター・珠城(たまき)りょう。6月21日、本拠地・宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)に別れを告げた。若くして頂点に立ったゆえの重圧に耐え、新型コロナウイルス禍にも翻弄(ほんろう)された、波瀾(はらん)万丈の宝塚人生。記者も観客の「正装」ともいえる白い服を身に着けてサヨナラショーの取材に臨んだ。仕事とファンとしての感情を行き来しつつ、現場で感じた珠城のタカラジェンヌとしての生きざまとは――。

「耐えて背負ったものを下ろす」

 珠城は愛知県出身。2008年に初舞台を踏み、172センチの恵まれた体格で注目を集め、入団3年目にはスターへの登竜門となる新人公演で主演。その後も順調に新人公演や小劇場などで主演を重ね、16年にトップスターへ駆け上がった。「背伸びをしてもまだ入団9年目。一つ一つの作品を全力で取り組みながら、組のみなさんと成長していきたい」と語っていた。

 魅力はその包容力。役からにじみ出るような温かさを感じさせ、多くの観客を魅了してきた。ただ「天海祐希(7年目)に次ぐスピード就任」という肩書は、周囲が考える以上に重いものだったに違いない。

 それをひしひし感じたのは、20年3月の退団記者会見。白いスーツ姿で登場した珠城は…

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