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中村文則の書斎のつぶやき

芥川賞作家・中村文則さんが、いろいろな場所の「書斎」から、さまざまなことをつぶやきます。

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中村文則の書斎のつぶやき

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作家の中村文則さん=宮間俊樹撮影
作家の中村文則さん=宮間俊樹撮影

 昔を振り返るのも、時に必要だったりする。

 安倍政権の時、「日本は景気がいい。株価を見てみろ」みたいに言う人たちがいた。コロナ禍の現在、株価は安倍政権時より高いが、今や誰も、景気がいいとは言わない。

 あの時、株価、株価、と言い安倍政権を支持していた論客たちは、いまどんな顔でご飯を食べているのだろか。普通の顔で、卵に醬油(しょうゆ)でもかけているんだろうか。

 日銀の介入などで、日経平均株価は随分前から実体経済とかけ離れている。GDP(国内総生産)の計算方法も変えられ、実体よりよく見せていた。雇用は労働人口の減少で、データを見れば、旧民主党時代から明らかに改善が始まっている。

 では安倍政権の功績は何だろう。拉致問題も実質的に放置していたので、加計学園の獣医学部の新設しか思い浮かばない。それはさておき、富裕層が喜ぶ政治をしていた、と称しても、反対する人は少ないのではないか。改めて言葉にすると「うわ……」と思う。

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