- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

新型コロナウイルス感染拡大で本場所の中止や観客制限など大きな影響を受けている角界だが、意外なところにもその影響が及んでいる。引退後も断髪式ができず、ちょんまげ姿の親方が目立っているのだ。世代交代の時期とも重なり現役を引退する力士が続く中、コロナ下で今後の状況も見通せず困惑する親方衆は多い。【村社拓信】
「一度まげを切ったとしても、断髪式までに再びまげが結えるほどまで髪の毛が伸びるんじゃないかって話しているんですよ」
ちょんまげを付けたある親方が苦笑いする。まげは力士の象徴であり、現役引退の際にはその存在を惜しむ力士も少なくない。ただ、簡単に髪も洗えないなど生活面で不便な面もあり、「早く切りたい」というのが本音のようだ。
後援者ら一人一人が少しずつはさみを入れ、最後に師匠が止めばさみを入れて大たぶさを落とす断髪式。実際には取組や相撲甚句の披露なども含め、興行として行われる。入場料のほか、ご祝儀も含めた収入は親方として新たに出発するための資金にもなる。
しかし、コロナ下で断髪式の延期が相次いでいる。2019年名古屋場所で引退した元関脇・安美錦の安治川親方は当初、20年10月に断髪式を予定していたが翌21年5月まで延ばし、さらに22年5月に延期した。19年秋場所限りで引退した元関脇・嘉風の中村親方も20年10月の断髪式を延期したまま、現在も日にちが決まっていない。
元大関・豪栄道の武隈親方は2…
この記事は有料記事です。
残り1139文字(全文1743文字)